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あれから10年

本日は3月11日。東日本大震災からちょうど10年です。

犠牲になられた多くの方々に心より哀悼の意を表すとともに、今もなお、不便な生活を強いられている方々には心よりお見舞い申し上げます。多くの尊い いのち が犠牲になった震災の記憶を風化させないためにも、毎年3月11日は、自然災害や いのち の事を改めて考えさせていただく大切なご縁とさせていただきたいものです。



~自分には自分に与えられた道がある。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあれば、くだりもある。思案にあまるときもあろう。しかし心を定め、希望を持って歩むなら必ず道は開けてくる。深い喜びも、そこから生まれてくる。人生、いいことばかりは続かないし悪いことばかりも続かない。「上り坂」と「下り坂」。行ったり来たりの人生の中で、ある日突然「まさか」と思いもよらぬ出来事がおきてしまう~



とは日本の大手家電メーカー「パナソニック」の創業者、松下幸之助さんの言葉。


人生には「三つの坂」があるといいます。一つ目は「上り坂」。万事が好調で何をやってもうまくいくときです。二つ目は「下り坂」。上り坂とは逆に何をやっても思い通りにならないとき。そして三つ目の坂が「まさか」という坂です。この「まさか」は予想不可能なものであり、私たちの人生の中に突如として出現します。


東日本大震災はまさにこの「まさか」の出来事でありました。

そしてあれから10年。私たちは今、ふたたび「まさか」の世の中を生きています。この「まさか」の出来事に、私たちは「当たり前」の日常をうばわれ、当たり前は当たり前ではなかったと痛感させられます。


以前、ある先輩僧侶に


「当たり前の反対の言葉は何だと思う?」

と、たづねられたことがあり、私はとっさに

「そんなの簡単です。当たり前でない、ですよ」

と答えて怒られたことがありました、、、。


その先輩は「当たり前の反対は、お陰様じゃないかな」

とおっしゃっていました。


「まさか」の出来事が起きたときほど、この言葉に頷かされるように思います。この世の中に当たり前のものなど何一つない、すべて「お陰様」のご縁の中で生かされていたのだと気づかされます。

そして「お陰様」を知るということは、本当の自分の姿を知らされると言うことかもしれません。

自分の力で生きているつもりでも、実は自分の知る範囲でも、知らないところでも、様々なご縁に支えられて生きている、生かされているのが、私という存在です。


なかなか普段から自分自身の姿を見つめ直すと言うことは難しいかもしれませんが、この東日本大震災という大変な出来事を振り返るとき、あらためて いのち の儚さ、尊さを学ばせていただき、そしてお陰様の中で生かされている自分の いのち のあり方をきちんと見つめ直すきっかけとさせていただきたいものです。


人ごとじゃない。自分のこと、、、






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