「あーっ!私の味付け海苔がーっ!」
もしかすると声に出てしまっていたかもしれません。
これは以前宿泊したビジネスホテルの朝食会場での出来事。
よくあるバイキング形式の朝食会場にやって来た私は、自分の席を確保し、規則正しく並んでいる人たちの最後尾に並びました。トレーの上にお箸、お皿を取り準備完了。美味しそうなおかずを順番にお皿にのせていきます。最後にやって来たのはパンやご飯や味噌汁、お漬物などのコーナー。ご飯党である私は迷わず白米を選択。味噌汁をよそい、大好きな味付け海苔を取ろうとしたその瞬間のことでした。どこからともなく颯爽と現れたサラリーマンとおぼしき紳士が、5袋ほど残っていた味付け海苔を無造作にわしづかみにして、すべて持って行ってしまったのでした。
そこで私は冒頭の言葉を心の中で叫んだのでした。
「あーっ!私の味付け海苔がーっ!」
(正確には私の味付け海苔ではないのですが)
どうしても味付け海苔が食べたかった私は従業員の方に在庫はないのですかと食い下がるのですが、なんとその日に限って品切れ。その日は一日中、味付け海苔のことで頭がいっぱいでした、、、
さて、日本国内で新型コロナウイルスが確認されてから一年以上が経ちますが、いまだに収束する気配はありません。世界中でワクチンの接種が進む中、このほど日本国内でも医療従事者の方への先行接種が始まりました。現状では数に限りのあるワクチンですから、今後は医療従事者→高齢者→基礎疾患のある方→高齢者施設などの職員、を優先しながら順次接種を進めるようです。
接種が始まると気になるのは、「自分はいつ接種できるのか?」「副作用はどうなのか?」「本当に効果はあるのか?」といった事ではないでしょうか。テレビなどでも連日そのようなことが報道されています。
今後懸念されるのは、報道などで「とにかくワクチン接種はした方が良い」となったときにワクチンを求めてパニックが起こらないかということです。この度のコロナ禍ではマスクや消毒液、トイレットペーパーの買い占め、自粛警察、そして味付け海苔の独占(いや、これは関係ないか)など非常時における人間の本性をまじまじと見せられたように思います。
(私自身も反省するところがありました)
また、日本をはじめとした先進国によるワクチンの囲い込みが進めば、その分途上国にワクチンが行き渡らない恐れもあります。
もちろんワクチンを接種して自分の いのち を大切にする(感染対策)ことが、他者の いのち を大切にする(感染予防)ことにつながるのは間違いないのですが、本当に必要としている方が接種出来なくなるような状況はさけたいものです。
有名な相田みつをさんの詩です。
うばい合えば 足らぬ
わけ合えば あまる
うばい合えば あらそい
わけ合えば やすらぎ
うばい合えば にくしみ
わけ合えば よろこび
うばい合えば 不満
わけ合えば 感謝
うばい合えば 戦争
わけ合えば 平和
うばい合えば 地獄
わけ合えば 極楽
今後も訪れるかもしれない自然災害や感染症などの非常事態時に、何度でも思い出したい言葉です。「あらそい、にくしみ、不満、戦争、地獄」よりも「やすらぎ、よろこび、感謝、平和、極楽」に生きる方がいいですよね。
そう、そして出来れば朝食会場での味付け海苔の独占はなるべく止めていただきたい。わけ合えば極楽なのだから、、、(しつこくてすみません)
人ごとじゃない、自分のこと。気をつけなければ。
<ブログの写真>
二歳半の娘がおやつに「うまい棒」を食べていたので、お父さんにもちょっと頂戴と声をかけると、しばし悩んだ後に「はい、どーじょ(どーぞ)」
どうやったらこんなに小さく取り分けられるのだろうか、、、
わけてくれたので良しとしよう、、、
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