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歳を取るということ

更新日:2021年1月8日

2021年を迎え、あっという間に一週間が過ぎようとしております。本年もどうぞ宜しくお願い致します。


さて、年明け早々、ネットではお笑い芸人「ダウンタウン」松本人志さんの


「歳を取ることが罪ですか?」


というツイートが話題になっています。


おそらくご自身に対する「老化」を指摘したネットニュースに反論されたものかと思いますが、なるほど、私たちは知らず知らずのうちに歳を重ねることに対して、マイナスイメージを持ってしまっているのではないか、ということに気づかされたように思います。


「人生は苦なり」


とは仏教の開祖、お釈迦様の言葉。

そもそもこの「苦」とは、痛いとか辛いという意味ではなく「思い通りにいかない」という意味だそうです。ですから「人生は苦なり」という言葉は「私たちの人生、なかなか思うようにはいきませんねぇ」という意味になります。


日常会話の中でしばしば「四苦八苦(しくはっく)」という言葉を使うことがあるかもしれません。物事がうまくいかない様を四苦八苦と表現することが多いのではないかと思います。

ちなみに年末に行われる除夜の鐘。地域や宗派によってやり方は違いますが、多くのお寺で「百八つ」たたくのではないでしょうか。


この「百八つ」は煩悩の数とも言われますが、実は「四苦八苦」が由来という説もあります。四九=三十六、八九=七十二。これを足すと百八になるので「百八つ」たたくのだとか・・・あくまでも一つの説ですので、ちょっと怪しいのですが・・・


さて、この「四苦八苦」も仏教語で、先ほどの「人生は苦なり」の「苦」と同じ意味になり、私たちの思い通りにいかない苦しみを教えてくださっています。そのうちの「四苦」とは「生(しょう)」・「老(ろう)」・「病(びょう)」・「死(し)」を表します。


生まれる場所や環境は自分で選べませんし(生苦)、生きている限り必ず誰しも歳をとり(老苦)、病気になり(病苦)、いつか必ず死を迎えます(死苦)。これらは私たちの思い通りにいかない現実です。その思い通りにいかない現実を、なんとか思い通りしたいと思うからこそ、より苦しいのかもしれません。


先日ラジオを聞いていると「プロエイジング」という言葉が紹介されていました。よく「アンチエイジング」という言葉は聞くのですが、プロエイジングとはアンチエイジングの反対の言葉だそうです。


アンチエイジングとは、「抗加齢」を意味し、いつまでも若々しく、実際の年齢よりも若く見られるために努力することですが、プロエイジングとは年齢を重ねることをポジティブに捉える事だそうです。


考えてみますと、子どもが大人になっていくことを「成長」と言いますが、ある一定の年齢から歳を重ねることを「老化」と言ったりします。あるときから歳を重ねることはマイナスと捉えるようになってしまうのも不思議なことです。


いつまでも若々しくいたいと努力する事も素晴らしいことですが、歳を重ねることを受け入れ、自分らしく生きるという考え方も素敵だなと思います。


私は若い頃の松本人志さんが作り出した笑いも、現在の松本人志さんが作り出す笑いも大好きです。今、歳を重ねたからこそ出来る笑いもあり、老化ではなく、むしろ進化しているのではないかと思ってしまうほどです。


誰しも歳は取りたくないですが、思い通りにならない現実をそのまま受け入れるということで、自分が自分らしく、少し肩の力を抜いて過ごすことができるのではないでしょうか。そこに思い通りにならない現実を越えていくヒントが少しあるように思いました。


かくゆう私もお陰様で今日で40才になりました、、、


私どもの業界ではまだまだ若手になるのかもしれませんが、40才の私にしか出来ないことは何かということを考えながら、これから一年、精進して参ります。



合掌



写真:2021年元日 湘南モノレール江ノ島駅から見た夕日と富士山


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